昨日今日と、土掘りへ行く。
昨日は愛知県方面、今日は近場の土岐市内へ。
今日の収穫は、土の中の鉄分が、鮮やかな赤からピンク色を帯びた細かい土。
こんな土はカチンカチンに焼けてしまうような事も多いのだが、まずは一度焼いてみよう。
こちらは、真っ白なもの。やはり細かいが、軽いので、カオリンの一種だろうか。
山のてっぺんの猫の額のような小さな小さな鉱床。この場所は、昭和の30年代頃、窯業原料の鉱山として稼行していた。わざわざこんな不便なところから運び出していたとは、昔の人の苦労がしのばれる。
訪うものもなくなった、ふるい鉱山をたずねる度に、わたしはいつも寂しさとも、懐かしさともつかぬ、不思議な感懐におそわれる。
ひとっこひとりいない荒地に立って、草の生い茂った採掘の跡を眺めれば、かつてそこに往来した人間たちの栄枯盛衰を感じずには居られない。
人びとからとうに忘却された場所に、わずかばかり残された土や石。
そのような原料を使って、いったいどんなものが作れるだろう?
原料探しは、同時に、此の地の忘れられた歴史を辿る旅でもある。