少し前から作品として発表し始めた、この、赤色志野を、
”猩猩(しょうじょう)志野”と名付けている。
”猩猩”とは、中国の古典に登場するという、酒にまつわる物の怪のことで、
この国では能の演目にもなっている。
特に深い意味はないが、少々どぎつい赤色を表す言葉として、
この言葉が一番イメージに合うかなと思って、
名付けてみた。
唐九郎の”金時”を嚆矢として、
赤い志野、は昭和の時代から様々なものが作られてきたし、
特段、目新しいものではないのかもしれない。
しかし、目下、四月の個展に向けて、
この赤色志野に、わたしなりのこだわりを持って、
造形も含めた、新しい形を模索しているところだ。
とにかく、新しい作品を発表まで持って行くまでの過程は、失敗の連続だ。
これまで、結構な数、窯をダメにしてしまったが、少しづつつかめてきた。
ところで、この東海地方には”猩猩メッタ”というお祭りがあるという。
ナマハゲに似たような赤色の巨きな怪物が、竹の棒で、子供を追いかけ回す。
室町時代頃から続くお祭りだという。
写真で見たが、まさにキッチュ、といっていい代物である。。
一度、観に行ってみたいものだ。