最近、小津安二郎監督の映画「秋刀魚の味」を観た。
正直、話の内容はあまりピンとこなかったのだが、
劇中、次男の和夫が帰ってきてお茶を飲むシーンで、
ふと、緑色の湯呑が気になった。
量産品にしては深い色合いと特徴的な切っ立ち型の造形と轆轤目。
これはもしかして岡部嶺男の作品じゃなかろうか?
映画の公開は1962年。
嶺男がこの手の青織部筒湯呑を多く手がけていた時期に符合する。
思い過ごしかもしれないが、
小道具にも徹底的にこだわったという小津監督のことだから、
これが嶺男作だという可能性も、あながち否定できないのではないだろうか?
(後半、河合の家に置いてあった李朝風の壺も気になった。)
以上、極上の湯盌展、告知ついでの湯呑話でした。