伊予西条にて

神戸、愛媛と、連続個展で怒涛の作品制作の日々。
気がついたら季節はすっかり冬ですね。

昨日でギャラリーラボでの展示も無事終了しました。
会場にお越しいただいた皆様、遠方からお問い合わせいただいた皆様、
ありがとうございました。

今回は二泊三日で四国伊予西条へ行ってまいりました。
初日の夜、恒例となっている酒器の会。
今回も企画のIさん秘蔵の酒器がずらりと勢揃い。
古備前、常滑、黒高麗、粉青沙器、須恵器、etc..
夜半過ぎまで宴会は続いた。

朝、在廊まで時間があるので西条の街を歩いてみる。すっかり寂れたアーケード。午前9時を過ぎているとはいえ、開いている店がほとんどない。(意外にもあの志野の先達もこのシャッター通りがお好きで、朝、必ず散歩するとのこと。)仕方なく愛媛民藝館というところ目指して歩いてみる。民藝館では丁寧にお茶とお菓子を出してくれた。蔵を改造した建物は上品で雰囲気が良かったが、そのすぐお隣の郷土博物館の方がむしろ印象に残った。

工芸品やら火縄銃、希少鉱物、二階の気持ち悪いホルマリン漬けまで、とにかくあるものすべてをぶちこんだ雑多な展示は、その洋館的建築と相まって、ある種不気味とも言える空間を現出させていた。

ふと、もう20年以上前に、備前焼の陶芸家、和仁栄幸さんに連れて行ってもらった津山科学教育博物館を思い出したのだった。(和仁さん、しばらくお会いしていないが、お元気だろうか?)

二日間の在廊の中で、今回も企画のIさんとたくさんお話できた。
特に、窯の構造と、窯焚きについてのお話は、ほんとうに参考になるものばかりだった。

薪窯の自作について考え始めると、堂々巡りで、なかなか方向性が定まらなかったが、Iさんのお話を伺う中で、少しづつイメージを固めることが出来た。

これから作る自分の薪窯のイメージは、当初、思い描いていたものからすると、随分と違う形に変化してしまったが、それでもようやく一つの道筋を得ることが出来たように思う。

そして今日、かねてから手に入れたかった本が届いた。

『瀬戸市史 陶磁史篇1~5』

古い本だが、単なる瀬戸の郷土資料としてだけではなく、古いやきものを学ぶ者の必携の書、とも言うべき濃密な内容ではないだろうか。古窯の図面も充実していて、これからの窯作りの参考としても、少しづつ読み進めたい。

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