土曜日、岐阜・文錦堂で開催されている「黄瀬戸 太田梁 一周忌展」に行ってきた。
素晴らしかった。
抜群の黄色味、潤いのある油揚肌と、鮮やかな胆礬、滲み出たような焦げは、
原料にこだわり、試験を繰り返し続けた、太田さんの生前の探求の深さを象徴していた。
そして、DM作品をはじめ、朝比奈手の茶盌の造形に圧倒された。
崩しのなかにも端正さを決して失わない、絶妙なバランス感覚。
繊細な太田さんだからこそ成し得た造形なのかもしれない。
「スズキくん、土堀りも大事だけれど、でもね、最後は造形だよ」
”最後は造形だよ”
これからもわたしは、折に触れて思い出すだろう。
太田さんのくれたこの言葉を、大切に胸の裡にしまっておこうと思う。