新・ミニ窯

お久しぶりです。ついついブログの更新が滞りがちです。
寒波到来、今日は本当に寒い。
志野の施釉をやる予定だったが、ふと思いついて
別の窯焚きを敢行した。
以前登場した、
レンガを組んだだけの仮設のミニ窯。
あまりの作りのいい加減さを見かねた熊谷陶料のHさんが、
もう使わないからと、なんと鉄枠でできたしっかりしたミニ窯を持ってきてくださった。

頂いてから、なかなか時間が取れなくて、窯焚き出来ていなかったのだが、
今日は試運転も兼ねて色々入れて焚いてみた。
流石にグングン温度が上がります。
火の粉が舞い散る。
準備不足や焚き方含め、反省だらけだったが、面白いものも取れた。
志野といえば、緋色がやかましく言われる様に、暖色のイメージが強いが、
こんな、モノクロームな志野があってもいいのでは?と思う。
(かつてHさんがブログで墨絵の様な志野を焼く試験を書いていたが、そのイメージとも重なるかもしれない)
しかし表面はビードロ。これはこれで面白いのだが、できればグレースケールの志野を焼いて見たい。

モノトーンでまとめるというのは、顔料的なものを使えば簡単な事かもしれないが、顔料の問題は、透明感や奥行きを感じさせないところだ。灰や土石を使い、酸化や還元を繰り返す焼き物ではこれが意外と難しいことなんです。

極めて断片的なものといえるが、新しい作品作りに向け、少しだけヒントを得た。


こちらはグラデーション黄瀬戸。

よく言われる”薪窯の味わい”とは?
身も蓋もない言い方をすれば、結局、
灰やアルカリガスによる不規則な、「ぼかし」、ということに尽きるのでは無いだろうか?

かつて、水族館劇場の美術を担当するA氏から舞台美術の”よごしかた”について教えてもらったことがある。エイジング、とも言われるこの「よごし」作業は、舞台セットに時代を経た奥深さを与えるのに必須と言っていい作業だ。

まっさらでのっぺりとしたものに奥行きを与えていく作業。
この「よごし」と薪窯の「ぼかし」はどこか似ている気がするのだ。
(ちなみにやきものの世界にも、古色付けという手法もあるが、これは個人的にあまり好みでは無いので、やるつもりはない。)

この「ぼかし」方を、ミニ窯を使ってマスターしていくことで、来るべき薪窯の
窯焚きに活かせる時がくるのでは無いかと、勝手に思っている次第だ。

 

2件のコメント

  1. 同感です❕
    アルカリの作用、不規則なぼかし…
    表現の一つとして活用したいですね

    グラデーションの在る黄瀬戸
    登場を楽しみにしています。

  2. 松村様
    コメントありがとうございます。また先日の奈良での展示ではありがとうございました。
    薪窯での黄瀬戸はハードルが高いですが、いずれ挑戦してみたいと思っています。

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