地獄のレンガ運び③

程無くしてOさんが、ユニック車で駆けつけてくれた。

あたりは既に真っ暗で、ヘッドライトで照らしながらの作業となる。
この危険な状況をもろともせず、
すぐにユニックでトラック後部を吊り上げると同時に、
脱輪したトラックの運転操作にも的確な指示を出してくれ、
あっという間に脱出に成功。
まさにプロの技と言える手際の良さだった。
その上、本来、山岡に降ろさねばならない、
畑に仮置きしたパレットを、
再びトラックに積み込むところまでやっていただいた。

万策尽きて途方に暮れていた我々にとって、
まさに救世主の登場だった。
トラックのヘッドライトに照らされて、颯爽と作業するOさんは、
さながら後光が差しているかのように思えた。

ありがたや。

実を言うと昨年も、薪を満載にした軽トラが、
溝にはまってしまい立ち往生したことがあった。
その時に助けていただいたのもOさんだった。
本当に感謝してもしきれないほど。
お世話になりっぱなしである。
(窯の整地作業もお願いします。。)

さて、Oさんがお帰りになった後、
三人で作業を続行する。

運転時、カーブでの遠心力を減らすために、
荷台後部ギリギリに積んでもらったパレットを、
前方へずらして積み直す必要があった。
ユニックの転回も少しで済む、
それほど難しい作業では無いように思えた。

脱出の成功で、安堵の雰囲気が漂う中、
その時点では、誰も予想できなかった。

三たび、あのような悪夢が訪れようとは。

-つづく-





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