四日市にて

tachibana日曜日、ギャラリー雲母で開催中の橘さんの個展を観に、四日市へ。
橘さんの作品を見るたびに、
他の多くの陶芸家の作品からは感じられない厳かさを感じることがある。
それは何なのだろう?

古作に近づく。

技術的な考察をめぐらせ、
土はどうだ、焼きはどうだ、と試行錯誤する。
これは古いやきものを手本として自らの作品を立ち上げようとするものなら、誰しも少なからずやることだろう。

橘さんの壺からたちこめる、えもいわれぬ厳かさは、そういった単なる技術的、知識的鍛錬の繰り返しの果てにあるものとは、何か、違っているように思う。

それは、陶芸、といった小さなくくりを飛び越えて、もっともっと大きな位相で、人間の根源的な部分に触れるものを感じさせるのだ。

川越での展示の時、見に来て頂いたあるギャラリストの方から問われた言葉がある。
『古作に近づく、という追求の果てに、ゴールはあるのですか?』

たしかに技術的なものだけを追っ掛けていたのでは、ゴールにたどり着いた途端(古作と似たようなものができた時)
終わってしまうものなのかもしれない。

何故、古いやきものは、美しいのか?
その問いに答えることは大変難しい。

しかし、古作に近づく、という行為の意味は、技術的な探求だけではなく、そのことを通して、根源的なレベルで、この”何故、美しいか”という問いへの答えを探し続けることにあるのではないだろうか。

灰釉の瓶子を眺めながら、わたしもいつか、こういう、厳かさのあるやきものが作れたらな、と思った。

川越での展示のとき以来で、本人にもお会いし、いろいろお話が出来てよかったです。

gallery’s eye 〜選ぶ力〜

明日から二日間、元麻布・kaikaikiki galleryにて、企画展に参加いたします。
東京では初めての出展になります。
(わたしはうつわノートさんのブースで展示させて頂きます。)
これだけの数のギャラリーがセレクトした、作家、作品が一堂に会すのも、なかなか無い機会だと思います。
お近くの皆様是非お出掛けください。

開催メッセージ

 2000年代半ばから急速に広まったネットの口コミメディアや作家が直接販売する野外展の広がりに伴い、今やユーザーが自ら情報を探して、いろいろなものを選べる時代になりました。この市場の変化は工芸やアートを一般の生活者に近くする一方で、その価値を中庸化し、本来、工芸やアートが培ってきた創造性や技術を貧弱にする危険性もはらんでいます。

 このような状況の中、作家や作品を伝えてきたギャラリーの役割があらためて問われる時代になっています。多様化する選択の時代だからこそ、作り手と対峙しながら、オーナーの眼を通して選び編集してきたギャラリーの意味をメッセージする必要があるのではないかと考えました。ネットで多くを知る事が出来ても、きちんと空間に設えたものを実際に手に取ることは、その実感を得るために大切な事だと考えています。選ぶ力。それも作品に付加される創造の一部です。

 この度、アーチスト村上隆氏の主宰するカイカイキキ・ギャラリーにて、工芸やアートを扱う10軒のギャラリーによるイベントを開催いたします。各ギャラリーが推薦する作家の作品を一堂に会して展示販売するとともに、昨今のオープン化したマーケットの状況に対して、その役割を問うメッセージも含んでいます。タイトルの「gallery’s eye ‐選ぶ力‐」には、選択眼の大切さの意味を込めました。各ギャラリーの選りすぐりの作品を通して、それぞれの眼を感じて頂ければと思います。

gallery’s eye ~選ぶ力~
2月14日(土) 一般公開日 11:00~19:00 入場無料
2月15日(日) 一般公開日 11:00~19:00 入場無料
※2月13日(金 13:00~19:00 )は招待日となり入場には招待状が必要となります。

参加ギャラリー
桃居
DEE’S HALL
gallery yamahon
Jikonka Tokyo
Oz Zingaro
feel art zero
季の雲
さる山
うつわ楓
うつわノート

会場
Kaikai Kiki Gallery
東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1F
(東京メトロ 日比谷線 広尾駅より徒歩5分)

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窯移動


th_IMG_9999 th_IMG_9979今日は大澤さんにお願いして、窯を移動した。0.2弱の小さな窯だが、結構大変だった。
引越先では家に上がって行く道が細すぎて、窯を積んだ2tトラックが入れず、軽トラで牽引して無理繰りいれた。

畳を虫干し

th_IMG_0064今日は南側の部屋の畳を外して虫干し。
黴のはえたものも多く、やれた畳は処分することに。
使えるものと捨てるものを分別する。
畳の下からは1975年の新聞が。
床の杉板は腐り落ちてはいなかったが、お世辞にも良い状態ではない。
同期の西岡さんが畳を分けてくれるとのことなので今度もらいに行ってきます。

それと玄関のレールを新しいものに交換した。これは意外に簡単。
だいぶ滑りが良くなった。ただ戸車が一個いかれていたので今度また交換。。
あとは台所の壁破壊。吊り戸棚を外すのに難儀。最後は巨大バールで破壊して撤去。
これでようやくプリント合板の安っぽい壁をすべて剥ぐことができた。

和室の襖もぼろぼろ。ヘンな絵。。無駄にキラキラした繊維壁は昭和の象徴。
もう少し古ければよかったのだが、昭和40年代とはいかにも中途半端。。
はたしてこれが良いふうになおるだろうか。。途方も無い時間がかかりそうな予感。

明日からは仕事なので続きはまた今週末。

煙突が外れた

IMG_16431-1th_ IMG_16422th_引越しの準備がはじまった。

まずは窯の煙突を外した。
少し難儀したが、なんとか無事に片付いてくれた。これで、あとは大澤さんに運搬をお願いするばかり。
ちょうど1年前、やっとの思いで、南知多から運んできた窯。
これで、もう、ここ高山での稼働はできなくなった。
昨年の今頃には、想像だにしなかった状況に、あまり実感が湧かない。

引越し先での作業も山積み。。
2日がかりで作業してきた。
道に崩れていた土砂の撤去、水道の水漏れ修繕、玄関の鍵修繕。お風呂の掃除、台所の壁剥がし…。
作業を進める度に、細かい部分で足りない道具や部品が出てきてしまい、何度もホームセンターに買い出しに行ったりと、遅々としてなかなか進まない。

作業を終えて帰宅し、
見慣れた窯場の風景からあの長い円筒が消えているを目にしたとき、
いよいよ、自分が此の場所から引越しをするのだなと、感じたのだった。

 

 

日常へ

th_IMG_0056諏訪湖の冬景色

川越から戻り、またぞろ製陶所勤めの日々。
今日もコーヒーカップの手付けなど、内職的な作業の繰り返し…。

この時間を…。

勤めと、自分の仕事のバランスについて、
車の中で昼寝をしながら、うとうと、考えをめぐらす。

答は出なかった。

ひとまず最大の山場である引越しを終わらせなければ。
落ち着いてから、もう一度考えよう、と思った。

昨日から福岡三越での酒器展。
明日からは明日香画廊での茶盌展。

新潟ギャラリー謙信庵での五人展も始まっています。
http://gallery-kenshinan.com/?mode=cate&cbid=1792270&csid=0&sort=n