”黒瀬戸”という名の挽歌

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”恒梁会作品展”へ向け最後の窯は、久々に自宅0.1㎥。
今回は引出黒でひと窯。

最高温度まで達した窯のふたを開け、灼熱の炎の中から鉄の鋏で一個づつ引出す。
橙色に輝いていた茶盌は、ジューッという音とともに湯気をあげ、一瞬にして漆黒の肌へと変貌を遂げる。
何度やっても緊張し、血が騒ぐ瞬間だ。

今回、瀬戸のYさんから”恒梁会作品展”の話を頂いた時から、わたしの頭の中でひとつのイメージが浮かんでいた。

阿古陀形の梅樹文ぐい呑。
太田さんが好んで作っていた黄瀬戸の形だ。
わたしはこの形を”写す”ことを決めた。

あるいはそれは、他人から見れば只の模倣と云われるかもしれない。
だが、たとえば音楽家が同志の死を悼むとき、故人の楽曲をカバーするように、
やきもの屋にも同じような追悼のかたちがあってもいいのではないか。

そして窯から引き出した作品の中に、そのイメージにぴたりと合ったものが一つだけ生まれた。

黒瀬戸ぐい呑”。

これは、亡くなった太田さんヘ向けた、わたしなりの挽歌のつもりです。

 

黄瀬戸のテスト

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昨日は仕事から帰った後、瀬戸へ向かい、窯出し。

今回は大澤ガスでははじめての黄瀬戸の焼成。
難しいのは重々承知の上でしたが、案の定、完全なる失敗でした。
最高温度を引っ張りすぎ、焼き過ぎてしまい、ほとんどがツルツル光沢のぐいのみ手に。。
そしてメインで使用した土が白すぎたためか、発色が薄くなってしまった。
それでも少ないながら断片的に良い釉調が現れたものもあり、
これを手がかりにして今後研究を重ねていきたい。

志野を焼きながら、合間合間になってしまうので、
かなり遅々とした試験だが、これから黄瀬戸も少しづつやっていけたらと思う。

眠い

昨晩から瀬戸にて窯焚きをしています。
ちょうど隣りでは、古瀬戸を追求されている訓練校の先輩が、窯を焚いてみえ、お話する機会を得た。
歩いてすぐという事で、御宅にもお邪魔してしまいました。陶片を見せて貰いながら土のこと、古陶磁のこと、いろいろと楽しい話ができました。

そして終夜の窯焚き。いまはまだ徐冷中。眠気は最高潮です。色見は色が薄い。。どうなることやら。。

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