「茶盌一盌一会展」
2016年1月22日(金)〜2月6日(土)
岡山明日香画廊にて22人の作家による
茶盌一盌一会展(第5回)に参加致します。
(11:00〜17:30/火曜休/土日17:00/最終日15:00了)
《22人の作家》
池田省吾、細川護光、池西剛、丸田宗彦、小出尚永、安永頼山、鈴木都、竹花正弘、澤田勇人、森本良信、鈴木大弓、山口真人、内村慎太郎、中村康平、梶原靖元、井口大輔、菊池克、古松淳志、谷本貴、伊勢﨑晃一朗、伊藤明美、大前悟
お正月、
DIYで設置工事を続けて来た我が家の薪ストーブ、
90年代製の古いレゾリュート・アクレイムに、やっと火が入った。
凄く暖かい…。
今年はぬくたい冬、と近所の人は言っていたが、ここは山奥。
引っ越して来たものにとって、郷ノ木の寒さは、想像以上のものだった。
実家と同じ隙間だらけの木造家屋では、時にこたつの中で身動きが取れない程の冷え込みに襲われた。
そんな冷えが嘘のように家中が暖かい。断熱をしていないので、少し冷気は入りますが
寒さに凍えていた日々を思えば雲泥の差。
これで、どうにか暖かく冬を越せそうです。
薪は今年から準備をしてはいますが、乾燥が必要なので使えるのは来年から。
今年は熊谷さんから頂いたフィルタープレスの木材廃材。
桜の木と言う事なので、薪には最適です。
未だ部屋は工事中…。壁塗り、床貼り、完成までもう少しです。
暮れも押しせまった12月30日、
早朝から、釜戸へ。
熊谷陶料のHさんにお願いして、
土掘りに連れて行ってもらう。
Hさんの車に乗せてもらい、夏場には熊も出るという某所へ移動し、沢を登る。
かつて長石鉱山だったという岩場の隙間から顔を覗かせていたのは、
花崗岩がその場で風化してできた、一時風化粘土。
(通常使われる粘土は母岩から転がり出して細かくなった石が堆積、風化した二次風化粘土)
焼いたときの変化が激しく、面白い粘土とのこと。
湧いてくる水でドロドロになりながら、
どうにか二袋採取。
Hさんが言うように薪窯で焼いたら面白そうだなぁ。

お昼までご馳走になって、釜戸に戻ってからまたまた原料まで頂いてしまい、恐縮です。
Hさん本当にありがとうございました。今年もいろいろとよろしくお願いします。
さてお昼すぎ、釜戸を出たものの、ここで土掘り魂に火が着いてしまい、
ちょっと遠出。
ほとんど二年ぶりくらいに某花崗岩帯を訪ねた。
半風化した花崗岩の白い部分や
完全に風化した層、
これまた一時風化と思しきカオリン質?の粘土。
等を採取。
ちょっと、方々を歩きすぎて、
ヘトヘトになって家に辿りついたのだった。
寒い朝、今日はまず、灰の水簸作業から。さすがに表面は薄く凍っていた 。

先週から干してる分もなかなか乾かない。

そして先日のボウズに懲りもせず、またぞろ近所の花崗岩帯へ長石原料探しに。
何かの資料で読んだのだが、昔、千倉石を採掘していたという地区にあたりをつけ入山。

かなりの急斜面。よじ上ってみると今にも崩落しそうな断崖絶壁。
さすがピッケルを入れるのは怖かったので、崩落したものの中を物色。
しかし…大したものは無い…。
鉄粉の多い粗悪な砂婆、といった感じのものの中、やや白い部分をひとかけだけ持ち帰る。
今日もまた徒労に終わったか、と落胆し、道を変えてとぼとぼ戻る。
沢沿いを下って行くと、沢の中の岩体にスポット的に長石らしき部分を発見!
途中で携帯の電池が切れて写真は取れなかったが、
かなり黄色味が強く、きれいに鉄分が染み込んでいそうなもの。
全体に溶け込んでいるため、花崗岩によく見られる黒雲母とは違う、鉄粉にはならないタイプだ。
赤系の志野に使えたら…。喜び勇んで、昨日からの背筋の痛みも忘れリュックサック一杯持ち帰った。
夕方、所用あって、土岐の街へ出る。
帰り際、量販古書店に立ち寄ると、
108円のコーナーにまさかの名著が。
『日本希元素鉱物』長島乙吉/長島弘三 共著

まさにタイムリーな邂逅。
これを読みこんで、来年は長石原料の聖地、苗木にチャレンジしてみたい。
煙突までいった薪ストーブ設置。
その後どうなったかというと、
天井裏配管、床下の補強、炉台作り、押し入れぶち抜き、床の間を破壊など、
迷いながらの作業が続く素人仕事。時間ばかりかかってしまい、
今日ようやく、ストーブ本体を家の中に搬入。
頂いてからというもの、一年間湿気たっぷりの物置に放置していたので
錆びがひどかった。ワイヤーブラシと556で念入りに掃除して運びにかかる。
この鋳鉄の塊は、運ぶのも大変な苦労だ。
150kgを越える重量を妻と二人で運ぶという暴挙。
ハーネス状の補助具を駆使しても、持ち上げて運べる距離はごくわずかづつ。
先日、熊谷陶料から頂いてきたパレットをステージ状に組んで、
一段ずつかさ上げしていく手法で、なんとか人力で縁側から運びこんだ。
本当に心と背骨が折れそうだった。
自作した大谷石の炉台に据付けて、今日の作業は終了。
怪我が無くてほんとうに良かった。
猫の手も借りたい程でしたが、もぐさは今日も寝てばかりでした。

今日は朝から薪割り(来年の冬支度)。
午後から土掘りに行った。
さすがに背筋が痛い。
白いのから
やや鉄分の染み込んだものまでいろいろ。手取りが妙に軽いのでカオリンの一種かな?
鉄の多いのは井戸に使えればと皮算用。
途中軽トラが全く動かなくなり途方に暮れたが、
車屋さんに電話して、いろいろ対処法を聞いて、
バッテリーの端子を少しいじったらエンジンがかかった。
単純に接触が悪かっただけのようだ。
電話の電池もギリギリで
危うく山道で立ち往生するところだった。
ところで
15日から訓練校同期、西岡悠さんの展示が、
東京・浅草のギャラリーとべとべくさで始まっています。
週末にはご本人も在廊するとの事。東京方面の方はぜひ。
◆西岡悠 黄瀬戸・織部 陶展◆
【会期】
2015年12月15日(火)〜〜12月21日(月) 10:00〜18:00
作家在廊予定日:12月19日(土)、20日(日)
会期中無休
【会場】
やきもの とべとべくさ
東京都台東区西浅草2-7-1
※ウェブショップにて同時開催中
http://tobetobe-kusa.jp/
出展作家:
朝野陽子(愛知)、内村慎太郎(福岡:唐津)、岡本作礼(唐津)、小野空女(京薩摩)、加藤財(千葉)、金子信彦(萩)、川上清美(唐津)、川北成彦(奈良)、川端文男(備前)、楠田直子(奈良:乾漆)、近藤亮介(奈良)、澤克典(信楽)、鈴木都(岐阜)、武次聡子(奈良)、田村憲司(奈良)、中原幸治(大阪)、中村譲司(京都)、中村敏康(富山:切子)、橋本大輔(滋賀:天目)、藤原章(備前)、平岡仁(和歌山)、福田有見子(奈良)、古川拓郎(京:釉裏白金彩)、本多亜弥(奈良)、真砂皓志(備前)、丸田宗彦(唐津) 、元木貴信(神奈川)、元木庸子(神奈川)、森多佳子(静岡)、山下譲治(備前)、山下有仁(備前)、山田洋樹(岐阜)、若尾経(岐阜)、和田純子(石川:ガラス器)、和田山真央(大阪)、他。
*作家作品は、多少異動することがございます。
・ 休廊:水曜日および年末30日〜新年正月元日
ならまちギャラリーたちばな
奈良県奈良市南市町14−1
0742-22-7005
http://www.naramachitachibana.com/
火曜日。よく晴れたので、久々に山を歩いた。
以前から気になっていたのだが、行けていなかった昔の長石鉱山跡と思しき場所へ。
古い地質図によれば、大きなペグマタイトの脈があるというのだが、
ならば良質なカリ長石でも見つかるのではないかと安易に夢想しながら現場へ向かう。
少し林道を入ると途中で道が途絶える。
仕方なく大きな砂防をの上を歩いて川を渡ると、辛うじて道のようなものを発見。

今では灌木が生い茂り、薮漕ぎのような形でしか進めないが、
一定幅で平らな面が続いていることが、ここがかつて掘り出した石を運んだ搬出路である事を教えてくれる。
木をかき分けて螺旋状に山を登って行くと、
突如露頭が現れた。

風化した花崗岩は、同じ長石質原料とは言え、砂婆や曹珪といわれるものだろう。
今にも崩れそうだ。途中、ペグマタイトの欠片もいくつか拾ってはみたが、

このような固い結晶は、原料屋のHさんに言わせれば、扱い的にはゴミだそうだ。
結局使えそうなものは何も見つからなかった。
その後、場所を隣の集落に移動して、またまた採掘跡のような場所へ。
巨大な花崗岩がそこここに露出しているのだが、
その根元に注目すると、何やら穴が。

近づいてみると人一人入れるような深い穴が穿たれており、
底の方をライトで照らしてみるとカリ長石と思しき欠片が散乱しているように見えたのだが、あれは幻影だったろうか。
今にも上から巨大な岩が落盤してきそうな雰囲気で、さすがに中に入るのはやめておいた。

これが、いわゆるタヌキ掘りというものか。
しかし人力で…。昔の人の執念はもの凄い。
そうこうしているうちに用事の時間が来てしまい、
後ろ髪を引かれながら、いそいそと帰る事に。
良質なカリ長石の山は夢に終わったが、久々の山で少し気分が高揚したのだった。