先日の太田さんを偲ぶ会でお土産に頂いた、瑞浪の銘酒「小佐衛門」。
今晩は朝比奈手と、阿古陀型のぐい呑で晩酌です。
さて、自身の制作の方ですが、
天満屋広島八丁堀美術画廊に、先日作品を納品させて頂きました。
ほっと一息つく間もなく、次の窯の準備に入っています。
まずは電気窯でのテスト課題をこなさなくては。
先日の太田さんを偲ぶ会でお土産に頂いた、瑞浪の銘酒「小佐衛門」。
今晩は朝比奈手と、阿古陀型のぐい呑で晩酌です。
さて、自身の制作の方ですが、
天満屋広島八丁堀美術画廊に、先日作品を納品させて頂きました。
ほっと一息つく間もなく、次の窯の準備に入っています。
まずは電気窯でのテスト課題をこなさなくては。
日曜日、ふと、大事なイベントがあったことを思い出し、急遽、近所の“多治見市美濃焼ミュージアム”へ。
すっかり忘れていたが、この日は黄瀬戸の大家、原憲司氏の講演会“織部を愉しむ”の開催日だった。
始まる前には、「何を喋るか考えてきてないんだ」なんて仰っていたが、
講演が始まると、たっぷり一時間半ノンストップ・トーク。
織部に限らず、桃山陶全般について、文化、技術、歴史…様々な面から独自の見解を展開、
時折冗談を交えながら、矢継ぎ早に繰り出される言葉の洪水。
目の回るような、それでいて一貫性のある、原さん独特の“世界”。。
非常に濃厚な話を聞かせて頂きました。
途中、原さんの蔵品である陶片が聴講席に廻ってきた。
印花が押され、胆礬と鉄が打たれた、正しく油揚手といえる黄瀬戸の陶片の美しさが、頭から離れないでいる。
土曜日、岐阜・文錦堂で開催されている「黄瀬戸 太田梁 一周忌展」に行ってきた。
素晴らしかった。
抜群の黄色味、潤いのある油揚肌と、鮮やかな胆礬、滲み出たような焦げは、
原料にこだわり、試験を繰り返し続けた、太田さんの生前の探求の深さを象徴していた。
そして、DM作品をはじめ、朝比奈手の茶盌の造形に圧倒された。
崩しのなかにも端正さを決して失わない、絶妙なバランス感覚。
繊細な太田さんだからこそ成し得た造形なのかもしれない。
「スズキくん、土堀りも大事だけれど、でもね、最後は造形だよ」
”最後は造形だよ”
これからもわたしは、折に触れて思い出すだろう。
太田さんのくれたこの言葉を、大切に胸の裡にしまっておこうと思う。
先日橘さんと見つけた白い土。
焼き上がりの色もかなり白く、よく焼き締まっていながら、
サクッとした軽い焼き上がり。
定義はさておき、これはカオリンとしてもいいんでないでしょうか?
乾燥強度が弱く、単味では少し扱いづらいかもしれないが、
いずれにしろ使い方次第で面白そうな土ではある。
それから、某所から頂いた、もぐさ系統の土。
少々砂っぽいが、志野に使えそうな焼き締まり具合。またガス窯で試験してみよう。
黄瀬戸の試験。試した釉調合は既に130種類を超えた。
ちょうど一年程前だろうか。
ある日の太田さんとの問答を思い出す。
「スズキくん、黄瀬戸の油揚手の正体っていうのは”何”かわかる?」
「えっ、なんでしょう…、うーん、、乱反射?ですかねぇ?」
「乱反射は乱反射なんだけどね。フフフ。」
結局、教えてもらえなかったその答は、
いまでは永遠に訊くことができなくなってしまったが、
この一年の自分なりの試験の繰り返しの中で、
それがなんであるのか、
ほんとうにおぼろげにではあるが、
見えはじめてきたように思う。